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ダウン症について

ダウン症を紹介する小冊子に書いた紹介文です。

  

  

ダウン症とは

 

ダウン症は、「ダウン症候群」とも言われます。また蒙古系の顔に似たところがあるので「蒙古症」などと呼ばれたこともあります。1866年に、イギリスのラングドン・ダウンという人が発見したので、「ダウン症」という名前が付いています。
「ダウン症」は、21番染色体の数の異常が原因で発生します。染色体というと、遺伝に関係がありそうですが、大部分の「ダウン症」は、突然変異によって発生します。染色体にはたくさんの遺伝子がありますが、染色体の一つが多いために遺伝情報のアンバランスがおこり、身体発育・知的発達の遅れや種々の合併症を引き起こすものです。
20年前には、「長生きできない子ども」と考えられていましたが、重い心疾患などがない限り、寿命には問題がないことがわかっています。

 

 

ダウン症児の出生頻度

 

ダウン症は、もっとも多い染色体異常です。出生頻度はほぼ1,000人に一人といわれています。

日本では、毎年1,300人から1,500人のダウン症の赤ちゃんが生まれていると考えられます。

 

 

ダウン症候群の種類

 

ダウン症の染色体異常には大きく分けての3つのタイプがあります。

1.21トリソミー型...    

21番染色体が3つあるタイプ。  ダウン症の約95%。

両親は一般に正常な染色体数を持っており、子供が偶発的にトリソミ

ーになったものです。

2.転座型...

過剰な21番染色体がほかの染色体に転座しているタイプ。  約3%。

半分は散発性転座、つまり両親の染色体は正常です。あとの半分は

遺伝性転座で両親の一方に転座染色体保因者が見らます。この家系

には、保因者の先祖や兄弟、ダウン症の姉兄に同じタイプの保因者が

見つかる可能性があります。

3.モザイク型...

正常の染色体細胞と21トリソミー細胞とが混在しているタイプ。  約2%。

この場合は標準型に比べて臨床像は軽くなります。通常、両親の染色体

数は正常です。

 

 

ダウン症の身体的特徴など

 

  • 身体症状...    

頭囲は小さく後頭部が扁平で、髪の毛は少なめで粗い。

顔貌は、斜めにつりあがった眼裂、エピカントス、耳の奇形、厚い舌、口からでた舌等。
指は短く、第五指短小、第5指内湾があり、掌紋では猿線などがある。

身のプロポーションは胴に比べて手足が短いずんぐり型。

皮膚は乾燥している。

  • 合併症...

ダウン症の合併症で最も多いのは心臓疾患。3割〜4割を占める。

高頻度にみられるのは心室中隔欠損、心内膜欠損、動脈管開存などがあげられる。

その他、消化管の奇形(十二指腸狭窄、鎖こう)、白内障(2%)、急性

白血病(1%)、一過性骨髄異常増殖症、環軸関節不安定性(2〜3%)

、甲状腺疾患(3%)、眼の屈折異常(近視、遠視、乱視)

色々な合併症があるが一人一人異なる。

と、いろいろな症状がありますが、ダウン症のお子さんの「全てに出現する症状」というものはありません。とても個人差が大きく、あまり目立たない場合も多くあります

 

 

発達の特徴

 

運動発達・ことばの発達など全般的に発達の遅れが見られるのが普通です。

  • 運動発達

      ダウン症の運動発達に特徴的な要因は筋緊張の低下です。生まれた時からからだが柔らかく

      て抱いた時、くにゃくにゃした感じのことが多いです。首の座り、一人で座る、歩行、走るなどの

      運動発達が遅れ、歩き始めが2歳過ぎになることも珍しくありません。
 

  • ことばの発達

      個人差がありますが、ことばの発達も遅れます。単語の始まりは3歳ぐらいになることも普通で

      す。また、コミュニケーションは十分に取れるのに発音がはっきりせず、会話になりにくいといっ

      た問題も出ることがあります。

 

 

おわりに

 

ダウン症に関する一般的な症状をあげてみました。医療者の立場からは、まず心臓や消化器の問題を解決し、健康状態が安定した生活がすごせることが第1歩だと思っています。
その次に発達のことを考えてあげましょう。
 
残念ながら、発達は遅れることがほとんどです。時には何でこんなことができないといらだち、時にはこんなことができたと喜ぶ、そんな思いが繰り返されることと思います。
ぜひあせらないで見守ってあげてください。
 
子どもたちが、それぞれの速さでゆとりを持って発達し、能力を伸ばして社会に巣立つ、それをあせらず支えるのがわれわれ大人の職業や立場を超えた役目だと思います。

 

 

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